スカイチーム(SkyTeam)便でマドリード=バラハス空港を利用し、「Puerta de Alcalá(プエルタ・デ・アルカラ)」ラウンジに立ち寄ろうと考えているなら、あまり過度な期待はしないほうが賢明です。エア・ヨーロッパの主要ハブ空港であるにもかかわらず、この空間は多くの旅行者が思い描く「ビジネスクラス」水準には到底及びません。必要最低限の貧弱な飲食、公共施設のように殺風景で無機質な雰囲気、そして歓迎というより門番のように感じられる接客がその特徴です。フライト前の貴重な時間をここで過ごすと決める前に、知っておくべきポイントを解説します。
ロケーション・場所
ラウンジはターミナル2のプライオリティ保安検査場(ファストトラック)を抜けてすぐの場所にあります。このアクセスの良さは純粋に便利で、ファストトラックを通過すれば目の前にあるため、ほんの数分で席に着くことができます。なお、制限エリア(エアサイド)ではT1、T2、T3が一つに繋がっているため、T2の施設だけに縛られる必要はありません。搭乗券と時間に余裕があれば、徒歩でT1やT3にある他のラウンジへ向かうことも可能です。このラウンジのクオリティを考えると、そうした選択肢があることは大きな救いとなります。

内装・雰囲気

第一印象は殺風景そのもので、時間が経ってもその印象が好転することはありません。高級感あふれるプレミアムラウンジというよりは、役所の食堂といった趣で、実用本位のテーブルに簡素な椅子、無機質で眩しい照明、そして思わず何度も時計を見てしまうような味気ない仕上げが目につきます。温かみや洗練されたデザイン性、快適な空間を作ろうという最低限の工夫すらほとんど感じられません。機能性重視といえば聞こえはいいですが、プライバシーや座り心地への配慮が極めて乏しいテーブルと椅子が並んでいるだけで、その機能性すら工夫が足りない印象です。

食事と飲み物(フード&ビバレッジ)

飲食サービスはこのラウンジ最大の弱点です。選択肢は極めて限定的で、空腹をなんとか紛らわす程度にはなるものの、きちんとしたもてなしを受けている感覚はありません。フライト前にしっかりとした食事を取る場所というよりは、単なる「給油所(ピットストップ)」程度に捉えておいたほうがよいでしょう。ホットミールは乏しく、料理の補充も滞りがちで、ドリンクのラインナップもパッとしません。ごく簡単な軽食や基本的な飲み物以上のものを求めるなら、一般の出発コンコースの飲食店を利用したほうが満足できるかもしれません。

サービスと利用規約(アクセス基準)
スタッフの対応は良く言っても当たり外れが大きく、時に素っ気なく不親切な印象を与えます。さらに厳格な「出発前3時間ルール」が杓子定規に適用され、同日乗り継ぎの場合や航空会社の上級会員ステータスを保持していても、出発時刻の3時間前より早く入場することは一切認められません。この厳格な対応に加え、ラウンジ内の設備・快適性が乏しいこともあり、多くの旅行者にとって本末転倒な状況となっています。くつろぎのオアシスであるはずが、まるで乗り越えなければならないもう一つの検問所のように感じられてしまうのです。
エア・ヨーロッパのマドリードにおける位置付けを考えると、この状況は特に失望させられます。エア・ヨーロッパがここに自社ラウンジを運営していないため、スカイチームの上級会員やプレミアムクラスの乗客は、同アライアンスの基準を代表しているとは言いがたいこの空間へ実質的に案内されることになります。本来ハブ空港であれば、その看板となるような上質なラウンジが期待されるものですが、Puerta de Alcaláはそうした役割を果たせておらず、単なる「その場しのぎの妥協策」のように感じられます。
総評・まとめ
優先保安検査場を抜けた後、時間に追われていて単に座る場所とちょっとした飲み物だけが必要という場合には、Puerta de Alcaláの立地の良さは重宝します。しかし、もし乗り継ぎ時間に余裕があるなら、T1・T2・T3が制限エリア内で繋がっている利点を活かして、別のラウンジを試してみることをおすすめします。社食のような内装、極めて貧弱な飲食、ムラのある接客、そして厳しい「3時間前入場制限」が重なり、このラウンジは旅の特典というよりは「最後の手段」となってしまっています。本来ならもっと素晴らしい体験を提供すべきスカイチームのハブ空港において、非常に残念な仕上がりです。結局、T3にあるプライオリティ・パス(Priority Pass)対象レストランのほうがよほど美味しい食事が楽しめました。









