ワンワールド公式のステータス表には、ルビー、サファイア、エメラルドの3つのティアが定められています。しかし、一部の加盟航空会社では、通常のワンワールド・エメラルドを上回る独自の上位ステータスを提供しています。本記事では、エメラルドの先にあるエリートステータスを設けている加盟航空会社と、その最高峰ステータスを詳しくご紹介します。ただし、あらかじめ注意点として、エメラルドを超える特典は各航空会社独自のものであり、ワンワールド・アライアンス内の他社便で追加特典が適用されるわけではありません。
すべての航空会社がエメラルドを超えるステータスを用意しているわけではありません。導入しているのは、アラスカ航空、アメリカン航空、フィンエアー、イベリア航空、日本航空(JAL)、カンタス航空です。これらのレベルに到達するには相当な実績が求められますので、予約前に獲得できるポイント数を事前に確認できる当サイトのフライト検索ツールをぜひご活用ください。
アラスカ航空:MVPゴールド 100K
通常のエメラルド相当ティアは「MVPゴールド 75k」ですが、アラスカ航空ではその上位に位置する特別な「MVPゴールド 100k」を用意しています。達成条件は、10万ティア(エリート)マイルの獲得、またはワンワールド加盟会社便に140区間(うちアラスカ航空便24区間以上)搭乗することです。
優先カスタマーサービスや空席待ち優先などに加え、特に注目すべき特典は以下の通りです。なお、通常のワンワールド・エメラルドですでに提供されている特典は除外しています。
- 5万ボーナスマイル、アラスカ・ラウンジ+(プラス)会員資格、MVPゴールド資格のプレゼント、またはアラスカ航空運航便での無料Wi-Fiから1つを選択
- エコノミークラス搭乗時のスナックまたは軽食の無料サービス
- アメリカン航空のアップグレードバウチャー2枚
正直なところ、これらの特典はやや物足りない印象を受けます。魅力的なのは最初の4つの選択式特典くらいですが、その中から1つしか選べません。他社では、最上位ステータスでサファイア資格のプレゼント権(1〜2名分)や無料Wi-Fiが標準で付帯する場合もあります。通常のワンワールド・エメラルド到達時ですらサファイア資格をプレゼントできる航空会社もあるほどです。アメリカン航空便のアップグレードを除けば、その他のアップグレード特典はすでにMVPゴールド(ワンワールド・サファイア相当)でも利用可能です。
米国外の航空会社のワンワールド・サファイア会員であれば、アメリカ国内線利用時でもラウンジアクセスが認められていることを考えると、「アラスカ・ラウンジ+」会員資格にそこまでの価値があるのか疑問が残ります。
アメリカン航空:AAdvantage エグゼクティブ・プラチナ
エメラルド相当の特典自体は「プラチナ・プロ」ですでに享受できますが、「エグゼクティブ・プラチナ」に達するとさらにワンランク上の体験が得られます。達成条件は、実に20万ロイヤルティポイントという驚くべき数字です。
こちらもカスタマーサービスでの優先対応やフライトでの獲得ポイント増加などが付いてきますが、通常のワンワールド・エメラルドを上回る主な特典は以下の通りです。
- 北米路線でのプレミアムキャビンへの無制限無料アップグレード
- エコノミークラスでのアルコールドリンクおよびスナックの無料サービス
北米路線での無料アップグレードは魅力的に聞こえますが、それ以上を期待したくなります。無料Wi-Fiも、サファイア資格のプレゼントも、これといった特別な特典もありません。これでは他社の競争力に追いついているとは言えません。特にアメリカ在住者にとってはアラスカ航空も同様に利用しやすい選択肢です。北米以外にお住まいの方であれば、このステータスを無理に目指す必要はまったくありません。
フィンエアー:Finnair Plus プラチナ・ルモ
「Lumo(ルモ)」はフィンランド語で「魔法・魅惑」を意味し、通常のエメラルド相当である「プラチナ」のさらに一段上に位置します。必要ポイント数はなんと45万ポイント(うち35万ポイントはフィンエアー運航便で獲得必須)と桁外れです。ただし搭乗回数でも達成可能で、150回搭乗(うちフィンエアー便100回)でも獲得できます。月あたり約13便、週に3便程度飛べば達成できる計算ですので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
フィンエアーでは、プラチナ・ルモ会員に対して機内での極めて手厚い優先対応や最上級のホスピタリティが約束されていますが、通常のワンワールド・エメラルドに加えて得られる主な独自特典は以下の通りです。
- ヘルシンキのフィンエアー・ラウンジに同行者4名まで同伴可能(他空港では搭乗券に記載された指定ラウンジに限り4名まで同伴可)
- フィンエアー運航便でのWi-Fi常時無料
- 機内スナックの無料提供
- 長距離路線ビジネスクラス・アップグレード 4回分
- 欧州域内路線ビジネスクラス・アップグレード 8回分
- サファイア資格(フィンエアー・ゴールド)のプレゼント権 2名分
フィンエアーの充実した特典を前にすれば、米系キャリアは足元にも及びません。豊富な無料アップグレードが付与され、ラウンジには複数の同行者を連れて入室できます。さらに、友人2名にワンワールド・サファイア資格を丸1年分プレゼントすることまで可能です。ご自身でプラチナ・ルモの達成が難しいなら、このステータスを持っている人と友達になるのが賢い方法かもしれません。
イベリア航空:Iberia Plus INFINITA および INFINITA Prime
エメラルドの上に1つだけではなく2つのティアを用意できるなら、そうしない手はありません。スペインのフラッグキャリアは「顧客により高い目標を与える」という手法を実によく理解しています。これらのレベルにはそれぞれ12万5,000および20万エリートポイントが必要です。興味深いことに、イベリア航空はエメラルド級のティアを3つも持っているにもかかわらず、マドリードにはエメラルド/ファーストクラス専用ラウンジが存在しません。
こちらも優先対応やカスタマーサービスの向上は当然付いてきますが、それ以外にどのような追加特典が期待できるのでしょうか。
Iberia Plus INFINITA
- 12,500ポイント獲得ごとにサファイアカード(Iberia Plus Oro)のプレゼントが可能
- カードに有効期限はなく、生涯にわたりステータスを維持可能(ライフタイムステータス)
Iberia Plus INFINITA Prime
- サファイアカード(Iberia Plus Oro)プレゼント権 2名分
- 直前のフライトが4時間を超える場合、マドリードT4のアライバルラウンジに同行者4名まで同伴無料
- イベリア航空のフライト利用時、ラウンジに同伴者を4名まで無料で招待可能
- ビジネスクラス利用時、一部の目的地でリムジン送迎サービスを提供
- ステータスは生涯有効(ライフタイム)
イベリア航空は、「インフィニタ(Infinita)」および「インフィニタ・プライム(Infinita Prime)」向けに非常に魅力的な特典を用意しています。両ステータスとも、通常のワンワールド・エメラルド会員(イベリア・プラス・プラティノ)の全特典(エコノミーからプレミアムエコノミー、またはプレミアムエコノミーからビジネスへの座席アップグレード4回分など)が付帯するほか、他の方へ無料でサファイアカードをプレゼントすることもできます。さらに素晴らしいことに、これらのステータスは生涯有効(ライフタイム)です。
日本航空(JAL)JMBダイヤモンド
JMBダイヤモンドの獲得には、100,000 FLY ON ポイント(うちJALグループ便で50,000ポイント)、または120回以上の搭乗+60,000 FLY ON ポイント(うちJALグループ便60回以上かつ35,000ポイント)が必要です。ワンワールド・エメラルド相当でより達成しやすいステータスとして「JGCプレミア」があり、マイル積算率のボーナスがやや低くなる点を除けば、ほぼ同等の特典が受けられます。
両ステータスの差はごくわずかです。
- JALグローバルクラブ(JGC)への入会資格
- 2023年の選べる特典から1つを選択(JGCプレミアでも選択可能ですが、付与数は少なめになります)
- 60,000 e JALポイント
- 配偶者へのJMBダイヤモンドステータス提供(同居および婚姻関係を証明する書類が必要)
- リンベル スマートギフト 51,000ポイントコース
- JALクーポン 25枚(50,000円相当)
- ヘッドフォンやオフィスチェアなどのギフト
JALはこのエメラルド超えのステータス競争において、あまり魅力的とは言えません。実質的に目立った追加特典はほとんどなく、それほど魅力的ではない選択肢の中から1つを選ばなければなりません。他社がギフト用のサファイアカードを気前よく複数提供していることを考えると、配偶者にエメラルドカードを1枚プレゼントできる程度では、それほど大きな魅力とは言えないでしょう。とはいえ、少なくともJALの見事なファーストクラスラウンジを利用できる点は素晴らしいメリットです。
カンタス航空 プラチナワン
カンタス航空の「プラチナワン(Platinum One)」は、通常のエメラルド資格である「プラチナ」のさらに上位に位置するステータスです。このレベルに到達するには、最低3,600ステータスクレジット(うち2,700クレジットはカンタス航空運航便である必要があります)が必要です。カスタマーサービスや空席待ちなどにおける最優先対応はもちろんのこと、その他にも多くのメリットがあります。ここでは最も重要な特典を見ていきましょう。
- 各種手数料の大部分を免除
- 同伴者・知人への無料プラチナ(ワンワールド・エメラルド)カードのギフト特典
- 足元の広い座席(エクストラレッグルームシート)の無料指定
- 他人に譲渡可能なラウンジ招待券2枚
- カンタス・ワイン・プレミアムの無料会員資格
- シドニー現代美術館(MCA)内にあるカンタスラウンジへのアクセス
- 特別イベントへのご招待
カンタス航空は充実した特典リストを用意していますが、無料アップグレード特典がない点が疑問に残ります。もし私がカンタス航空のプラチナワン会員であれば、例えば他人にワンワールド・サファイアカードをプレゼントできる代わりに、自分自身のフライトで使える無料アップグレード特典が欲しいところです。
まとめ
ほとんどの航空会社には、通常のエメラルドステータスを超える(公表されている)上位ティアが存在しません。ここまで見てきたように、上位ティアを用意している航空会社間でもその特典内容は大きく異なります。その中でも、フィンエアー・プラスは頻繁に飛行機を利用するトラベラーにとって最も実用的なプログラムと言えます。一方、アメリカン航空、アラスカ航空、日本航空(JAL)には、さらなる特典の改善を期待したいところです。









