ニュージーランド航空は、従来の「Airpoints(エアポインツ)」に代わる刷新されたロイヤルティプログラム「Koru(コル)」を発表しました。同社によれば、よりシンプルで還元度が高く、ニュージーランドの人々の実際の旅行スタイルをより反映したものになっているとのことです。これはマイレージプログラムの発表でよく使われる常套句に聞こえるかもしれませんが、単なる見せかけのリネームにとどまらない野心が感じられます。
発表の概要
2026年4月22日、ニュージーランド航空は500万人以上の会員が新プログラム「Koru」へと移行すると発表しました。既存のエアポインツおよびステータスポイントはそのまま引き継がれ、現在のティア(会員ランク)も新たな体系へとマッピングされます。
新システムでは、エントリーレベルとなる「Koru Bronze」から、最頻回利用者を対象とした最上位の「Koru Black」まで、より明確なティア分けが導入されます。ゴールド会員にはマイルストーン特典やアップグレード特典が提供されるほか、最上位ステータスの達成基準にわずかに届かなかった会員をサポートする新機能「Status Retain(ステータス維持機能)」も設計されています。
また、同社は今回のローンチを機に、提携パートナーの拡大、ポイントの獲得・利用方法の拡充、さらにはオークランド国際空港におけるエリート会員層ごとにエリアを分けた新しい「Koru Premier Lounge(コル・プレミア・ラウンジ)」の新設など、エコシステムのさらなる拡大を打ち出しました。
この動きが重要な理由
ロイヤルティプログラムは、航空会社がどのような企業を目指しているのかを如実に物語る場となりつつあります。「Koru」の方向性からは、ニュージーランド航空が単なるマイレージの計算台帳ではなく、日常のライフスタイルに根ざしたより広範な関係性を築くプログラムを目指していることがうかがえます。
この点は、規模は小さくとも世界と密接に結びついているニュージーランドのような市場において極めて重要です。航空会社は、国内線での利便性、アライアンスとしての価値、そして国際線利用への魅力を同時にバランスよく保つ必要があります。綿密に設計されたロイヤルティプログラムは、これら3つの要素すべてを強化することができます。
スターアライアンスを利用する旅行者にとっても、「Koru」は注目に値します。ニュージーランド航空がアライアンス共通の特典と並んで、自社独自のエリート特典をどのように位置付けるかを示しているからです。航空会社が公言することは滅多にありませんが、最も強固なロイヤルティプログラムとは、旅客がまずアライアンスよりもその航空会社自身に愛着を感じるように作られているものだからです。
利用者が注目すべきポイント
最大の焦点は、「よりシンプル」という謳い文句が実際の利用において本当に実現されるかどうかです。多くのマイレージプログラムはそのようにアピールしがちですが、会員が感じるシンプルさとは、ステータス達成への進捗状況がどれだけ分かりやすいか、価値あるポイントを容易に獲得でき、実際に価値のある特典へと確実に交換できるかどうかにかかっています。
また、オークランド空港でのラウンジ拡張も注視すべき点です。ロイヤルティプログラムの変更は、アプリの画面やメールの文面だけでなく、実際の体験空間として形になって現れてこそ、より高い信頼感を得られるものです。
考察
今回の動きは非常に本格的なものだと考えます。ニュージーランド航空は単にしきい値を微調整したり、小手先の特典を変更したりしているわけではありません。会員への評価、柔軟性、そして日常的な利用価値を軸に、ロイヤルティが持つ心理的なつながりそのものを再定義しようとしています。
これは賢明なアプローチです。2026年現在、優れた航空会社のロイヤルティプログラムとは、単に多く飛行機に乗ることだけを求めるものではありません。旅行が顧客の生活全体の中にどのように調和しているかを航空会社が真に理解している、と感じさせることこそが求められているのです。









